現在「百日咳」という感染症が大きな流行をし始めています。ワクチン導入後の現在も、特に生後6か月未満の赤ちゃんは百日咳が重症化しやすく、リスクが高いことが分かっています。重症化すると呼吸が止まる発作を起こすことがあり、命に関わることもあります。
ワクチンの開発が進み、現在日本では定期接種として生後2か月から1歳半頃まで4回接種します。ただ、ワクチンの効果は時間とともに弱まり、5歳頃になると発症予防に必要な抗体保有率がかなり低下することが指摘されています。年長児の百日咳は周囲の乳幼児への感染源になるため、これらの年齢層へのワクチン接種が必要とされます。
当院では、年長さんで接種するワクチンとして、MRワクチン等に加えて、3種混合ワクチン(百日咳・ジフテリア・破傷風) と不活化ポリオワクチンもおすすめしています。 抗菌薬治療が有効とされている百日咳ですが、抗菌薬耐性の百日咳菌が増加しており(特に中国では耐性率80-90%の地域もあるようです)、予防がより一層重要になっています!
ぜひ大切な子どもたちの命を守るため、適切な時期にワクチンを接種していただきたいです。