近年、こどもの花粉症症例が増加しています。くしゃみや鼻汁、鼻閉といったアレルギー性鼻炎の症状のほかに目の痒みや喘息様の咳、のどの痒み、皮膚の痒みなど多彩な症状がみられます。
スギ、ヒノキなどの花粉は2~4月、シラカバの花粉は北海道を中心に5月ごろに飛散します。
カモガヤ、ハルガヤなどイネ科の花粉は5~7月、ヨモギ、ブタクサなどのキク科の花粉は8~10月に飛散します。
花粉症への対応は花粉からの回避が第一ですが、外遊びや体育の授業など戸外での活動が盛んなこどもには現実的に難しいと思います。その場合、症状に応じて抗アレルギー薬を内服することもあります。
症状が軽い場合は花粉飛散開始後からの治療で対応可能ですが、症状が重い場合は花粉飛散開始2週間くらいからお薬を飲むことにより、症状を軽減させたり、症状の出る期間を短くするといった効果があります。また、室内に花粉を持ち込まないことも重要で、室内の花粉は舞い上がったり落ちたりを繰り返しながらいつまでも消失しないため、帰宅時に花粉を室外で払い落とす、布団を外に干さない、洗濯物も室内に干すなどを徹底することで症状が軽減することがあります。
また、花粉症の一部の方は果物や野菜を摂取したときにアレルギー反応を起こすことがあります。
これは、花粉と果物・野菜のたんぱく質の形が似ているからで、両者に共通する成分が特異的IgE抗体と結合しているからと考えられます。例を挙げるとシラカバ、ハンノキの花粉で感作(特異的IgE抗体が作られる)され、リンゴやモモなどのバラ科の果物を摂取すると口の中がイガイガしたり、症状が強いときはショックをきたすことがあるとも言われています。
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