日本各地で数年ごとに麻疹の流行がみられています。
麻疹排除のためには、常に95%以上を目標とした高い予防接種率が必要です。これは20名中19名以上が免疫を持っていれば感染拡大が起きないことを示しています。予防接種は2006年から2回接種となりましたが、流行時は緊急ワクチン接種もある程度有効です。接触から72時間以内であれば発症を防止できる可能性があります。
麻疹の特徴的な症状は高熱と発疹ですが、ワクチン接種後、徐々に免疫が低下したときなどにみられる修飾麻疹と呼ばれる麻疹では、症状が典型的ではないことがあり注意が必要です。
合併症は約30%に認められ、肺炎、脳炎、数年を経過して発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という特殊な脳炎などがあります。
また麻疹発症後の死亡率が1/1000という報告もあり、ウイルスに対する根本的な治療法はないため、非常に怖い病気と言えます。
マスコミの過熱報道に踊らされるのはよくありませんが、正しい知識を身につけ、1歳と就学前の方はきちんとMRワクチンを受けましょう。
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