赤ちゃんはRSウイルスやヒトメタニューモウイルス、アデノウイルスなどのウイルスに感染すると、よくゼーゼーいってしまいます。これは、赤ちゃん特有の身体の構造などが関わっていることが多く、大きなこどもと比較して気道(空気の通り道)が細いことなどからゼーゼーいいやすいと言われています。
ゼーゼー=気管支喘息ではなく、感染に伴う一時的な症状であることも多いのです。
しかし、そのようにして診ていた赤ちゃんのなかで将来的に気管支喘息に移行してしまうこどももいます。
気をつけないといけないのは、以下の点です。
明らかな呼気性喘鳴(息を吐くときにゼーという)を3回以上繰り返す。
何度も同じ症状を繰り返すということです。
両親の少なくともどちらかに医師に診断された気管支喘息(既往を含む)がある。
遺伝的な背景も大切です。
両親の少なくともどちらかに吸入抗原に対する特異的IgE抗体が検出される。
ハウスダストやダニ、花粉などに対して反応しやすいということです。
血液検査をされたことのあるおうちの方はおっしゃってください。
患児に医師の診断によるアトピー性皮膚炎(既往を含む)がある。
皮膚症状と喘息は関連性があります。
患児に吸入抗原に対する特異的IgE抗体がある。
小さな赤ちゃんはまだ正確な診断ができないので検査しませんが、
およそ生後6か月を過ぎた頃から必要と思われるお子様には血液検査を行います。
気道感染がないと思われるときに呼気性喘鳴をきたしたことがある。
熱もなく、元気にしていたのに急にゼーゼーいうのはアレルギーの存在を疑います。
(あとで風邪の症状が出てくることもあります。)
β2刺激薬吸入後の呼気性喘鳴や努力性呼吸の改善、または酸素飽和度の改善が認められる。
気道を拡げる吸うお薬をしたあとに症状などの改善があれば、
吸う前は気道が狭くなっていたということになります。
ゼーゼー=気管支喘息ではありませんが、成長とともに症状がどうなっていくか慎重に経過を診ていく必要があります。
場合によっては、ゼーゼーの症状を起こさないよう予防的なお薬を飲んだり吸入したりすることもありますので、気になることがあれば随時ご相談ください。
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